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名古屋大学 > 情報学研究科 > 複雑系科学専攻 > 畔上研究室


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研究概要

自然界や人工物のマクロな現象の多くはある程度の単純化を行えば数式でモデル化することができる.例えば,固体や流体の変形,音や熱の伝わる現象など,我々が日常的に見たり感じたりすることのできる現象の多くは偏微分方程式の境界値問題の解としてモデル化することができる.計算機と有限要素法に代表される強力な数値解法,さらにはコンピュータグラフィックスの発達に支えられて,1990年代以降,多くの境界値問題の数値解を可視化した結果をコンピュータシミュレーションと称して日常的に目にすることが多くなってきた.

弾性体・流れ場の最適化 / 脊柱側彎症患者別モデリング

現象のシミュレーションから現象の制御・最適化へ

コンピュータシミュレーションのこれまでの発達が,もっぱら現象を忠実に再現することに主眼が置かれていたことに対して,私の研究室では,現象が望みの現象になるように形や材質を制御する,あるいはある目的に対して形や材質を最適化する問題に取り組んでいる.

典型的な問題

Poisson 問題が定義された $d \in \{2, 3\}$ 次元の領域 $\Omega$ に対する形状最適化問題は

\[ \min_{\Omega} \{f_0 ( \Omega, u ) \; | \; f_1 ( \Omega, u ) \le 0, \cdots, f_m ( \Omega, u ) \le 0, \ u \ \mbox{: Poisson 問題の解} \}\]

のようにかくことができる.ここで,$f_i ( \Omega, u )$ は評価関数である.私の研究室では,関数空間の勾配法に基づく独自の解法を提案している.

人工物設計への応用

例えば,力を受けたときの変形が最も少ない物体の形は,現象の数式として弾性変形の境界値問題を使い,目的汎関数に外力仕事,制約汎関数に物体の体積を用いた不等式条件を考えれば,解くことができる.流れの中で抵抗が最も少なくなる物体の形なども同様に解くことができる.これらの基本的な形状最適化問題に対しては,製品設計の現場で使えるレベルに達している.

医療・福祉への応用

人間を含めた生体の形もマクロな現象との関わりで作り出されていることが少なくない.私の研究室では,コンピュータシミュレーションの手法を生体の形や疾患の解明,さらには治療法の評価および最適化,福祉機器の設計などに役立てることを目指している.

今後の展開

現象のモデリングと最適化に関する研究を進めていく上で,原理を追求すれば数学としての厳密性を問われ,実用を考えれば工学としての汎用性を求められ,医療・福祉への応用を目指せば,医学としての要求に応えなければならない.これらの目標を達成するためには,異分野の専門家との協働が欠かせない.いろいろな出会いを大事にしていきたい.